【伝説の猫/マイケル】第4章/親父とマイケル
前回に続き、完全スルー推奨のノンフィクション物語
【伝説の猫/マイケル】第4章/親父とマイケル
団地の人気者になったマイケルは毎日自由気まま
シッポをあげて上機嫌に団地の周りを散歩して
ガーデニングしている人たちに挨拶しながら撫でられ甘え
蝶々やトンボなどを追いかけてはいつものように
道路に大の字でヘソ天で寝る
日曜日にはうちの団地では子供会の運動行事があり
私は毎週の野球練習をいやいやながら参加してましたが
練習後に決まってマイケルが練習場までやってきては
子供会のみんなに可愛がられていたので
私は少し鼻高々に毎回ちょっとした優越感に浸っていました。
うちの父は単身赴任をしていて年に1度か2度1か月程の休暇で
団地に帰ってくる生活をしていました。
まぁとにかく酒好きで、仕事は肉体労働で性格も昔気質の漢。
荒れていた兄とは毎回帰ってくると酒を酌み交わし
酔って上機嫌になると必ず些細な事で兄と揉め、母と揉め
結果大乱闘になるので、私は父が嫌いでした。
父はいつも帰ってくるときに自分の酒のつまみの為か、家族サービスのつもりなのか東京は上野「アメ横商店街」で鶏や海産物を買ってきては家のベランダで鶏を絞めて仕込みをしたりするので、私は怖くてしかたがありませんでした。
そして今回も父が単身赴任先から帰ると連絡があり
酒が飲める兄は喜び、毎回大喧嘩になる母は機嫌が悪くなり
私は豪快な父の振る舞いを思い出し恐怖で震えたのを覚えてます。
母も父の機嫌を損ねると面倒なので、最初は
「いつもありがとう」「大変でしたね」等ねぎらっては
父の為に「つまみ」を用意したり本当に大変そうに見えました。
今回がいつもと違うのは家に「マイケル」という新参者がいる事
『おい、猫が入り込んでるぞ!どうなってんだ』
マイケルを見つけて私たちに怒りはじめました。
「この子が気に入ってついてきちゃったのよ、でもすごく賢いの」
なんとか許してもらおうと一生懸命に説明する母。
『猫なんか飼ったらここ追い出されるだろ!だめだだめだ!』
「大丈夫よ!みんなに可愛がられているし、うちの子じゃないって説明もしてるから」
『なんだと!嘘ついて飼ってるのか!どうなってんだ!』
「そう言わないと出ていかなきゃいけないし、ご近所もわかっててそうよね~って話合わせてくれてるのよ」
『だめだ!このまま家に置いとくなら三味線にするぞ!』
《―――――!!!!⁇》三味線??
私は三味線という楽器に猫の皮が使われている事をこの時はじめて知りました。
《マイケルが皮剝がされちゃう!!!!》
父は鶏を絞めて料理の仕込みをする人ですから
私は本当にマイケルの皮をはがされるとリアルに恐怖しました。
《やめて!やめて!》私は泣きながら懇願しましたが
父は『明日捨ててこないなら俺が捨ててくるか皮剝ぐからな!』
母は私を抱きしめながら「ごめんね、ごめんね」と泣いてました。
翌朝、母は私に「絶対説得するから安心して学校いきなさい」
と言ってくれたので、渋々登校し、頭に何も入ってこない授業を受け、放課後一目散にダッシュして家に戻りました。
どこを探しても、呼んでもマイケルは見つからない
母も仕事に行ったのか見当たらない
父の姿も見当たりませんでした
私はご近所さん達にマイケルの行方や父母がどこに行ったのか
聞きまわりましたが、行方は分からず。
途方に暮れている頃
遠くから泣きながら戻ってくる母とムスッとした父が見えました。
「ごめ~…ん…」グスグスしながら私に謝ってくる母。
いろいろと察した私はダッシュで部屋に戻り
机の下に体育座りで籠り大泣きしてました。
その日の事はあんまり覚えてません。
後日マイケルはそこそこ離れた大きな自然公園に捨ててきたと母から聞きました。
私はすぐにその公園まで行き(子どもの足なのでだいぶかかりましたが)マイケルを探し回りましたが見つけることはできませんでした。
私は更に父が嫌いになり、一言も喋らず、ずっと机の下に籠り
《早く帰れ~早く帰れ~》と呪文のように唱えてました。
それから1週間ほど経ち、父が私に
『いい加減にしろ!このまま一生喋らないつもりか‼』と怒鳴り
ゲンコツされました。
これに怒った兄が「おい!なに殴ってんだよ!」と更にバトル勃発
まぁいつも勝手に殴ってくるのは兄も同じなんですが…💦
バトルといっても父は兄の攻撃などほぼノーダメージなのは
見てて分かりました。
父は兄の首根っこを掴んで持ちあげ、首つり状態でバタバタする。
いやお世辞でもないけど兄は強いんですよ。普通に。
近所の不良もビビッてちびる位には。
その兄が手も足も出ない…
バタバタしながらなんとか父の「みぞおち」に蹴りをいれた所で
兄を床に叩きつけ顔面を踏みながら『まだやるんか?こらぁ』
恐ろしい顔で兄にそう言いましたが兄は気絶してました(たぶん)
「―――あんたあぁ!!!!」
そこへ鬼の形相となった母がキラリと光るものを…
たぶん刺そうとしたんだと思いますが、『ふんっ!』と
光るものを叩き落し「パンッ!」とビンタして終了
この光景はこの時だけの特別なものではなく
だいたい毎回こんな感じでした。
お皿が飛び交ってガラスまみれの日もあれば
兄がバットを持って殴りかかり、そのバットを掴まれ折られたり
まぁ私が知る限り当時の父はダントツ「最強」でした。
ですが今回は、いつも泣いているだけの私がコンパスを握りしめ
父に《うわぁあああ!》と殴りつけたんです。
コンパスの先っちょ…今考えればエグイですよね💦
顔に刺さったコンパスをポイっと捨てられ、やれやれといった顔で『わかったよ!…絶対に探しに行くな!でも自分でここまで帰ってきたなら、もうここが家なんだろうから文句は言わん、みんなそれでいいな!』と言ってきたんです。
「うんうん」と泣きながらうなずく母と私。
その後毎日私は団地の4階から下を覗いてました。
すると遠くからトボトボとあるく猫の姿が…‼
《マイケルッ!!!!》
私の声が聞こえた猫は「ハッ」としてすぐにダッシュして4階まで駆け上がってきました。やっぱりマイケルでした!
私は大泣きしながらマイケルを抱きしめ、もう涙と鼻水でマイケルの顔面もグチョグチョでした(ごめんね💦)
か細い声で「にゃぁぁ」というマイケルを部屋に運び
《ほら!帰ってきたよ!もううちの子だからね!!!!》
『しかたねぇな』と父。
その後はなんと父は自分で絞めて調理した鶏肉を
マイケルに振舞ったり、撫でたり頬ずりしたりする姿を晒し
その後は毎年マイケルの為に特別なお土産も買って帰ってくるようになりました。
マイケルとの一件でずっと会話すらしなかった私も
《マイケル可愛いよね!?賢いよね!?》
『あぁ可愛いな。帰ってくるなんて普通じゃねぇからな』
といった会話もできるようになったので、本当にマイケルさまさま。
私たち家族の一員として沢山の良い影響と愛情・癒しをくれました。
繰り返しますがこのお話はノンフィクションです。
もうすでに私の両親は他界しているので
もし、このお話を読まれたらだいぶ怒られたことでしょう笑
ですが私にとってマイケルは友であり、兄弟であり、時には親のようであり、教師のようでもありました。
そんな色々な教えを学ばせてくれた
マイケルの物語はもう少し続きます。
いつも長々と稚拙な文章で申し訳ないですが
もう少しお付き合いいただけますと幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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