動物病院におもうこと
今日は私が動物病院に思うことを少し書きたいと思います。
まず私はブリーダーです。ブリーダーという職業に偏見や誤解をもっている方々もいらっしゃると思いますので、少しご説明をします。
よく聞く「悪徳ブリーダー」「ブリーダー飼育崩壊」
こちらはどちらも「良くない」ブリーダーだと思っていらっしゃる方も多いかと思います。
「悪徳ブリーダー」というのは、犬猫等をお金儲けの為だけに乱繁殖し、動物の命を軽んじたり、命を弄ぶ行為を平然とやってのける繁殖屋のことです。
「飼育崩壊」というのは、高齢で管理ができなくなってしまい、後継がいなく飼育崩壊してしまったブリーダーも含まれます。 もちろん、崩壊する前にご自身が管理している動物たちの将来を確保してあげる責任があるので、そうならない様に他の方へ助けを乞うのが当たり前ではあるのですが…。
私はブリーダーになる際にこう決心しています。
「動物たちの誕生~お別れまで愛情深く関わろう」
当猫舎からお迎えいただいたご家族様は遠い親戚のような関係性でいたいと思っています。
さて、今回は「動物病院におもうこと」なのですが
このブログを書こうと思い至った経緯として、
当猫舎よりお迎え頂いた猫ちゃんが環境変化の影響もあったとは思いますが、体調を悪くしてしまい現在も闘病の中頑張っているところで、
私たちに何か出来ることはないか、アドバイスできることはないかと模索したり動物病院の獣医師さんに相談したりしたのですが…
本当にいろんな人がいるもので、先日お話しした獣医師さんは
私が「スコティッシュフォールドのブリーダー」だと知ると
「奇形の猫なので元々問題があった」と言ってきました。最初は耳を疑いましたが、
ネットでもそう書かれている事は存じていたので一応抗議させていただきました。
私はブリーダーとして
自分の子達の将来を幸せに過ごしてもらいたいので、
「遺伝子検査」・「健康診断」も都度行っております。
もちろん猫ちゃんは多産なので、全ての猫ちゃんが無事に生まれる訳でもなく、
場合によっては生まれた後に「育児放棄」されてしまう子もいます。
ですが動物病院の獣医師さんが私の猫舎を見てもなく、
私自身とも初対面であるにも関わらず
「適当に繁殖させている」
と誤解されるような発言をしてしまうのは如何なものか。
偏見に囚われていて悲しくなったのと、
その獣医師は子猫の状態を「治す」というより
「亡くなってもうちの責任じゃありませんよ」といった
態度だったのと、飼い主さんへの「希望」となるような提案すら
していなくて、なんでこんなところ(動物病院)に
連れてきてしまったのだろうという思いになってしまいました。
この病院は複数人の獣医師が在籍しているのですが、
今回の先生ははじめての方でした。
もともとうちの仔猫ちゃんの健康診断や投薬などでとてもお世話になっている病院でしたのでとても残念で信頼が揺らいでしまいました。
私どもも複数の動物病院に行っています。
動物病院さんは「ブリーダー」と聞くと嫌な顔をするところが多いのですが、丁寧に対応してくれる病院さんを選んでいます。
(それでも今回のような獣医師もいるのが現状ですが…)
普通の飼主様、特に初めて犬猫ちゃんを迎えたご家族さまからすると動物病院選びは本当に大変だと思います。
動物病院は自由診療なので料金もピンキリです。爪切り300円のところもあれば2000円近いところもあるのです。
SNSの口コミも大事な判断材料だと思ってますが、低評価の方のコメント内容もよくお読みになって選ぶことをおススメします。
私は猫の専門家なので、自身でも健康や病気などの勉強もしているのですが、やはり獣医師さんにはかないません。
追記:
今回あった出来事を追記させていただきます。
先日お迎えされた猫ちゃん、お渡し前日までは元気いっぱいでしたが
お迎え当日に「くしゃみ」を数回したのです。
私たちも「猫のくしゃみ」がただのくしゃみなのか、風邪によるくしゃみなのか、重篤性があるのかないのか、そういった判断はある程度できるのですが、今回の場合は「猫風邪をひき始めた可能性」もある事を飼主様にお伝えして、何かあれば連絡、動物病院の受診をお勧めしました。
飼主様はお迎えされたあとの状況、猫ちゃんの様子もしっかりお伝えしてくださり、基本元気ですが、やはりくしゃみは数回しているとのことでしたので、動物病院の受診を促させていただきました。
飼主様はくしゃみをする事を気にして下さり、動物病院に行ったそうです。ですが「予約がいっぱい」でその日の受診は叶わず「予約して翌日に来るように」と言われたそうです。
そして翌日受診した所「数日以内に亡くなるかもしれないからブリーダーに連絡するように・できれば返しなさい」と言われたそうです。
よくよく確認すると受診した際に、猫の体温も計らず、血液検査もせず、レントゲンも死ぬかもしれないからしない方が良いと、風邪からきたかブリーダーの所で起きた誤嚥性肺炎だと飼主様に告げたそうです。
そんなことあります??
呼吸が悪いのであれば、現状の肺の状態を確認する為にもレントゲンをしないと分からないのでは?高熱が出てるのか、チアノーゼが出てるのか、専門家でない私でもそれくらいは分かります。
レントゲンの万歳姿勢で死ぬかもしれないと仰ったようですが、そこまで重篤なら前日の「予約がいっぱい」の際に緊急性のある猫ちゃんとして優先して診察するべきなのでは?
飼主様から連絡があったので、チアノーゼが出てないのであれば肺の状態を確認するためにレントゲンを撮るようにお願いし、飼主様もその旨を獣医師に告げてしぶしぶレントゲンを撮ったそうです。
結果は
気管は白いが肺はまだ白くないので、炎症を広がらなくするお薬を処方してくれたそうです。
(肺は白くないけど肺炎と診断する獣医師もいるんですね…)
私は今回の獣医師と直接話してないので、飼主様へそう告げた獣医師の正確な意図は分かりませんが、やはり自分の病院に責任を押し付けられたくないので
「ブリーダーのせいにしてやれ」
「スコティッシュフォールドなので病気があるんだ」
と責任転嫁している獣医師さんの可能性が高いように感じました。
飼主様は自分の家族となった「我が子」が心配で病院に行っています。当然病気のプロでもないので、重篤性があるのかないのかも分からないことが多いはずです。
動物病院の「予約制」というのも否定はしませんし、業務を円滑に効率よくするための制度でしょうから必要な病院もたくさんあるかとは思います。
しかし「くしゃみをするんです」と受付で言ったら「予約がいっぱいなので予約を取ってから来院ください」と言われたとしたら
【早期治療で治る可能性の子】は排除してしまうということでしょうか?
せめて、熱が高いのか、重篤性はないか?だけでも獣医師さんが判断してくれたら飼主様は本当に心強いと感じると思うのです。
そのうえで、翌日・もしくは後日の診察にまわすというのであればご納得もしやすくなると思うのですが…。
今回の飼主様はアドバイス通り「セカンドオピニオン」として別の病院に行くことにしたと仰ってました。
ブリーダーとしては当方で猫風邪の発症の可能性もあるので、
そこに関しまして謝罪はさせて頂きました。
※通常はそのような症状の子は治ってからのお渡しとなりますが、今回は飼主様のご事情もあり、ご納得したうえでのお引渡しとなりました。
ですが安易に「もうすぐ死ぬ」「ブリーダーが悪い」と発言する獣医師さんは先生と名乗る資格がおありなんでしょうか?
今回の飼主様は最初の言葉でパニックになり訳わからなくなってしまったそうです。
パニックの飼主様に他責の言葉で畳みかけるのはかなり悪質です。
私にその場で相談できてお話しできたので、冷静さを取り戻したら、だんだん獣医師に腹が立ってきた…(# ゚Д゚)と仰ってました。
人間の病院の先生(医師)と同じだと思うのですが
身体の弱い人を産んだ親が悪いと非難して診察や治療せずにお金だけ取るなんてこと許されないですよね?
(知らないだけでいるんですかね?💦)
藁にもすがる気持ちで来院する方もいらっしゃいますので
まずは、
親身になり「どうしたらこの子を治してあげられるか」
を真剣に考えてくれる獣医師さんと巡り合えるように願っています。
追記・加筆
2024.9.23